日本主要敵の根拠は、17年後には経済の分野で、日本はアメリカを追い抜いて「新たな経済帝国」となるということでしたから、根拠そのものが崩れてしまっているといえるでしょう。
日本、中国、アメリカの関係を、アメリカに据えて見つめなおすと、中国との関係が悪くなると日本との関係が深まり、日本との関係が緊張しはじめると中国との関係が緊密化するという力学が働いているとみることができます。
また、米民主党政権は中国との関係を緊密化する傾向があり、米共和党政権は日本との関係を強くする傾向があると見ることもできます。
ロンャス時代といわれる親密な日米関係を築いたときの米大統領は共和党のレーガンであり、小泉首相とともに親密な日米関係を形成した米大統領も、共和党のブッシュでした。
中国としては、日米関係が険悪になることは、政治力学的に望ましいことであるといるでしょう。
そのことがもっとも明らかになるのは、台湾問題です。
台湾海峡の波が高くなったときに、日米が親密で、一致して台湾を守るという挙にでれば、中国にとっては勝ち目がありません。
元駐タイ大使の岡崎久彦は、「中国は何度でも台湾を攻めて、1回勝てばよく指摘されます。
中国が台湾を攻めて負けたならば、中国に帰って戦線を立て直せばいいが、台湾が1回でも負けたならば、四方は海ですから、もうそれで万事休すというわけです。
そのため、中国は、日米関係が悪化する方向に、さまざまな手を打つ可能性はあり、以前よりそうしたことは行われていると考えた方がよいでしょう。
そのことを示す言葉が、中国にあります。
「米日離間策」です。
そのいっぽうで、中国は日米安保の維持に賛成しています。
日米安保は軍事同盟ですから、経済ブロックを形成するということよりも強い結びつきです。
日本の唯一の軍事同盟国はアメリカであり、アメリカの唯一の軍事同盟国は日本です。
日本には米軍最大の石油貯蔵庫があり、米第7艦隊の母港は横須賀であり、イラク攻撃にも多数の戦闘機が、沖縄から向かいました。
中国にとっては、そのようにして日本がアメリカと軍事的に強く結びついている限り、独自に軍拡をしないから、安心していられるということです。
私たちの感覚からすれば、ありえないことですが、日本が日米安保を破棄したならば、独自に軍事力を強化し、かつてのように中国軍事占領を企てる可能性があると見ているらしいのです。
日本は、きわどいところでアメリカによるスーパー301条に基づく制裁措置をこの中国のスタンスを、日本から見れば、中国が日本を「主要敵」としている限り、人権問題などでどれほどアメリカと険悪になろうとも、本当に険悪になることはないということです。
なぜならば、中国は、アメリカと本当に険悪になり「主要敵」日本と組んで敵対されることが、最悪の事態だからです。
日本にとっても、米中がジャパン・バッシング(日本頭越し)で、経済的、軍事的に手を組むなどということがあれば、最悪のシナリオとなります。
なぜ、いまあえてこのようなことを述べているかというと、沖縄の基地問題から安保問題が引き出されかねないからです。
防衛大臣、外務大臣が、期せずして同時期にアメリカのイラク戦争に批判的な発言をしたことも、きわめて今後の為替市場の動向に結びつきやすい出来事でした。
回避しましたが、中国は制裁措置発表(実施にはいたりませんでした)という段階にまで入ったことがあります。
1995年のことで、カンター通商代表部代表は知的所有権をめぐる中国との交渉が期限内に合意に達しなかったとして、スーパー301条に基づき、中国に対しn億8000万ドルの制裁措置をとると発表しこのとき、中国は毅然として、アメリカの対中輸出品であるテープ、CD、化粧品、たばこなどに報復関税をかけ、自動車合弁事業交渉を凍結しました。
その後、中国側から実質的には和解要請の交渉再開のサインが出され、CDやレザー・ディスクの「海賊版」禁止に最大限の努力をするということで落ち着きました。
道路一面に捨てられたCDを、車で踏み潰す映像が流れたのは、このときのことです。
2007年あたりから、日本では団塊の世代の定年が始まりますが、アメリカでもベビーブーマーの退職のはしりが始まり、2010年にはピークを迎えます。
アメリカのベビーブーマーは、401kなどで株高を支えた世代ですが、その世代が一斉に資産を取り崩す立場に回ることになります。
株価にとっては、値下がりの材料であり、経常収支から見ると悪化の材料であり、ドル安の材料でもあります。
2001年に大統領に就任したジョージ・ウォーカー・ブッシュアメリカ大統領は、第4代アメリカ大統領ジョージ・ハーバート・ウォーカー・ブッシュの長男であり、親子で大統領を務めたのは、第2代大統領ジョン・アダムズの息子ジョン・クインシー・アダムズが、第6代米大統領となって以来のことです。
アメリカが「双子の赤字」といわれた財政赤字と貿易赤字の解消につとめたのは、レーガンからブッシュまで続いた12年間の共和党政権時代でした。
その努力の結果、貿易赤字のほうはあまりうまく解消できなかったものの、財政赤字についてはかなり整理がつき、ファンダメンタルがよくなってアメリカ経済は「未曽有の繁栄」を認歌することになったのですが、民主党政権に移ってからのことでした。
ルービン、サマーズの抜群の経済、金融政策もあったものの、基礎的な部分は共和党が頑張り、その果実をクリントン民主党政権が収穫したという側面もあります。
対中政策においては、ブッシュ共和党政権は、アジアにおいては日本を重視する政策をとり、クリントン民主党政権は、中国を重視したのですが、再び共和党ブッシュ政権になって、日本寄りに戻りました。
それと同時に、中国を危険視するようになったのですが、中国が毎年着実に軍備増強を進めるとともに、社会主義市場経済がいよいよ軌道に乗り、高度成長経済の入り口をくぐり、世界の工場といわれるまでになったからです。
クリントン政権の時代に、アメリカの財政は非常によくなり、ブッシュ政権に移ってからも、しばらくはよい状態が続いていたのですが、2003年に入ったあたりから、そろそろ軍需産業へのテコ入れが必要となってきていました。
それと同時に、その時期には米ドルが世界中に6300億ドルも流通していたのですが、アメリカが自国で印刷したドルは4800億ドルから多くても5000億ドルまでであり、1500億ドルから2000億ドルは、身に覚えのないドルだということで、いったい誰が、どこで刷ったのかという犯人探しが行われました。
古くは、第2次世界大戦中にドイツが印刷していたという話があり、戦後にはロシア、中国も印刷していたというようなこともいわれましたが、噂の域をでませんでした。
北朝鮮で国をあげてドルを印刷していたことは、2006年末あたりの情報では、ほぼ確実のようです。
北朝鮮製のドルは、もちろん偽ドルですが、欧州を復興させるためのマーシャルプランの実施にあたり、アメリカが大量に刷ったドルが、いまもユーロ・ドルとして、ヨーロッパ各国に存在しています。
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